注文住宅は、施主の要望を設計士がヒアリングしてそれを元にプランニングされる住宅のことです。
つまり、建売住宅やマンションなどと比較しても非常に自由度が高く、施主が「こうしたい」という理想や希望を図面に反映してくれます。
ただ、自由度が高い分、施主が決めなければならない箇所も非常に多く、また業者との綿密な打ち合わせが必要になってくるので面倒だと感じる方も多いかもしれません。
キッチンの仕様から壁紙の種類まで、施主の好みで決められるのでギリギリまで悩んでしまう人も多いでしょう。
そんな注文住宅で最も悩みやすい仕様の1つが「コンセント」です。
そして、実際に家を建てた方の中で「これは失敗した」「こうすれば良かった」と最も後悔する仕様も「コンセント」だと言われています。
その理由は一体何でしょうか。
注文住宅でコンセント仕様で失敗しないためのコツは何でしょうか。
合わせてご紹介いたします。
注文住宅ではコンセントの位置と数に悩みがち
基本的にコンセントは、1つの居室に対して対角線で2箇所とエアコンのコンセント、LDKはエアコンのコンセントと各所使い勝手の良い箇所に3~4個とTV配線やインターネット配線、固定電話の配線がつけられます。
さらに電化製品を多く扱うキッチンでは冷蔵庫用や電子レンジ用などにアース付きのコンセントが複数個つけられます。
洗面脱衣室も同様に洗濯機にアース付きのコンセントが配線され、洗面化粧台にはドライヤーなどを使うための付属のコンセントがつけられます。
また、一般的によく使われるタイプのコンセントの高さは、床からコンセントの中心まで25cmが一般的です。
しかし、この高さやコンセントの数は、通常生活するのに困らない最低限の個数です。
注文住宅でコンセント関係の打ち合わせをすると、この個数からさらに増やしたいという施主は多々います。
また、コンセントの高さも、施主によっては使い勝手を考えて高さを変えたいという人もいるでしょう。
コンセント関係は電気配線も関わってくるため、少し専門的に思えて業者に任せきりにしたい気持ちもあるかもしれませんが、住み始めてからの使い勝手も考えるとしっかりコンセントの要望は設計士や業者に伝えるべきです。
注文住宅で多いコンセントの失敗と後悔について
注文住宅ではコンセントの位置や高さ、個数で後悔する人が非常に多いです。
インターネットで行われている注文住宅を建てて住み始めた後に感じた後悔・失敗でも、コンセントの失敗談がとても多くありました。
下記は、コンセントに関する失敗例・後悔したことの1部を挙げています。
- 収納の中にコンセントがない
- キッチンのコンセントが少なかった
- 洗面脱衣室にコンセントが少なかった
- 寝室はコンセントの高さをもっと考えるべきだった
- 外部コンセントがもう少し欲しかった
- 階段にフットライト付きのコンセントがあると便利だった
- 玄関にもコンセントをつければよかった
- お掃除ロボット用のコンセントをつけるべきだった
注文住宅で失敗しないコンセントの配線のコツは?
注文住宅で失敗したと感じることの多いコンセントの配線ですが、今後注文住宅を建てる予定の方が失敗しないようにするためのコツをご紹介いたします。
コンセントを考えるコツ
- 図面に家具をおくイメージをする(家具の大きさの紙を実際に置いてみて検討する)
- 掃除機の使い方で決める(充電式の掃除機なら、掃除機の充電スペースはどこにするかを検討する)
- インターネットやTVの位置を検討する(LDK以外に寝室や子供室に必要かどうか)
- 外部コンセントをどこにつけるか検討する(電気自動車用や庭でのバーベキュー用、防犯灯やカメラの設置、高圧洗浄機など電気を使った掃除道具を使用するためなど、今後も使い道を考えて取り付けると良い)
- コンセントの位置とともにコンセントの口数も考える(場合によってはコンセントを横向きにつけると便利)
- キッチン周りやTV、インターネット周りはコンセントが多い方が良い(使用する電化製品が多いため。タコ足配線は火事の原因にもなるので使用頻度が高い箇所はあらかじめコンセントを多めにつけた方が安全でもあります。)
上記のように、実際に自分が住み始めた際にどこにあると良いか、今現在住んでいる自宅でよくコンセントを使う場所などを考えながら検討するとコンセントでの失敗や後悔が少なくて済むでしょう。
自宅でタコ足配線を使って何個もコンセントを差してる、ということに気づけば、その場所で自分はよくコンセントを使用していることがすぐにわかります。
コンセントの値段はいくら?
もちろん、コンセントは1つ追加するごとに費用が発生します。
あまりに何個もつけすぎると予算が・・・と心配になってきますよね。
コンセントの値段は、依頼する業者によって多少前後あるかもしれませんが、一般的によく使用される2口コンセントは1箇所で大体2,000~3,000円ほどで追加できます。
さほど高額ではないので、今後のマイホームでの生活も考慮して追加することをお勧めします。
エアコンやアース付きコンセント、外部コンセントになると一般的な2口コンセントよりも特殊なものになるため、10,000円近くかかってくることもありますので、追加を希望される場合は施工業者に事前に値段を確認しておくと良いでしょう。
注文住宅であると便利なコンセントの位置は?【設置アイデア】
注文住宅では、施主の家の間取りや生活スタイルによっては、ここにコンセントをつけてとても便利だという場所もあります。
ポイント1:ウォークインクローゼットにコンセントがあると便利
広いウォークインクローゼットで掃除機をかけたり、空気清浄機を使う方は1箇所入り口近くに設けるととても使い勝手が良いです。
ポイント2:コンセントの高さをダイニングテーブルの位置に合わせると便利
例えばカウンターキッチンの腰壁部分の、ダイニングテーブルの高さより少し高いところにコンセントを取り付けると、ホットプレートや電気コンロを使って焼肉やお鍋をするときにコードが邪魔になりくいです。
また、少し値段は高いですが、床用コンセントをダイニングテーブル付近に取り付けると同じようにコードが邪魔にならずに食事を楽しめるでしょう。
他にも、充電タイプの掃除機の充電のために、コンセントを物入れの中に設置して掃除機を隠せるように工夫したりできます。
また、備え付けの造作デスクがあればその上部にコンセントを1つつけておけば、携帯電話の充電やノートパソコンを使うときに使い勝手が良くなります。
このように注文住宅ではあると便利なコンセントの位置はたくさんあります。
空気清浄機を常時使用している方や、充電式の掃除機を使っている方など、普段の自分たちの生活様式を新居でも続けたいということでしたら、上記のような工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
コンセントの数や位置を考えるのは難しいことです。
注文住宅を建てる方で多いのは、「もっとたくさんコンセントをつければ良かった」という失敗談・後悔例です。
キッチンをグレードの高い仕様に変更したり、フローリングを無垢材にしたなど、他の仕様でオプションをつけてしまっていると、少しでも他の場所で追加費用を抑えたいという気持ちが湧いてくる方も多いです。
そのせいか、コンセントの追加を控え、結局住み始めて使いづらさを感じて増設する人もいます。
そうなると増設工事の費用もかかってしまい、むしろ必要以上にお金を使ってしまうことになります。
上記でもお伝えしましたが、コンセントの値段自体はさほど高額ではありません。
また、今まで注文住宅を建てた方の意見には、「コンセントは多いに越したことはない」というコメントが多数ありました。
少ないことにはデメリットが多いですが、コンセントは今後のマイホーム生活の快適さも考慮してなるべく多めにつけることをお勧めします!
家づくりの後悔・失敗談はハウスメーカーごとにまとめています